スイッチが入る時

それは、まさに人それぞれです。
タイミングも、入り方も。
自分で入れてしまうこともあれば、
誰かにうまく入れてもらう場合もあります。
教育関係の雑誌に目を通していると、こんな記事がありました。
ある時、それまで何事にも一生懸命取り組むタイプではなかった長男が、
「塾に通わせてくれ。」と言ったそうです。
もともと塾などに通わせる気はなかったその父親は、
「そんなに行きたいなら、お前が塾に通うべき理由と通ってからの効果について
俺を納得させられるだけのプレゼンをしてみろ。」
そう伝えたそうです。
結果は、本当に一生懸命になった長男が作成したプレゼン資料は素晴らしかったので、
塾に通う為の費用を出してあげることを約束したそうです。
こんな話から判る事は、やはりタイミングとチャンス(機会)が大事だということ。
その子なりに気持ちのスイッチが入るタイミングを掴み、
そのチャンスを最大限に活かして励ましの声かけをすること。
教育とは、まさにこの事を言うのだと思います。
幼稚園という現場では、私たち教師がその機会を常に伺っています。
クラス担任は、その機会に遭遇した時、
あるいは意図的に創りだすことができた時、
それを必ず最大限に活かすことのできるプロなのです。
2月5日の発表会に向けて、
そのチャンスと出会う度に、子どもたちとの本気の時間が共有できます。
いつも自分を主張できない子には、
強く励まし「あなたはできるよ。」と叱咤激励します。
何かあると言い訳しようとする子や、何かと確認を取ろうとする子には、
「あなたが思うようにやってみなさい。」と背中を押します。
自分の事ばかり伝えようとする子には、
「少しお友だちのお話も聞いてくれるかな。」と諭します。
同時に、きっとご家庭においても形は違うかもしれませんが、
小さな出来事の中に同じような事が起こっているのではないですか。
少し振り返ってみて下さい。
いつの間にか、子どもの言いなりになって物を買い与えてはいませんか。
親であるのに、子どもに一つひとつ様々な事に気持ちを確認していませんか。
いつも子どもに対して「ごめんね。」と謝ってはいませんか。
ぜひ一度、親と子の距離感を確認してみましょう。
つかず、離れず・・・。
それは、親子の関係にも言えることだと思います。